「社員の高齢化」「長時間残業」にどう対応するか?IT業界が抱える人事問題の解決方法とは?

書籍紹介 <業種別人事制度シリーズ> 4. IT・ソフトウェア業

IT・ソフトウェア業 人事戦略研究所 岩下広文 著

業種別人事制度(4)
IT・ソフトウェア業
Information technology Software

株式会社新経営サービス
人事戦略研究所

岩下広文 著

出版社:中央経済社 定価:2,200円(税抜)

IT業界は、まだまだ発展の余地がある業種であり、市場としては今後のさらなる拡大も期待されます。しかしながら、IT企業を取り巻く経営環境が安泰かといえば、決してそのようなことはありません。業界固有の人的課題をいかにしてクリアしていくかが、今後の成長を実現していく上で重要なポイントとなります。

本書では、人事制度全般の構築・見直しを行う際の基本的な手順やポイントをわかりやすくまとめると同時に、専門職の活用方法やIT技術者に対する具体的な評価基準など、IT業界の課題や特徴を踏まえた人事制度の具体例を紹介します。

POINT1. 技術に特化した専門職の活用事例を紹介

 システム開発等のIT企業では、高度なITスキル・ノウハウを有した人材をどのように処遇していくかが、人材マネジメント上の勘所となります。SEのような技術者の中には、部下の管理は苦手にしているものの、一方で非常に優れた技術力を持っている社員も数多く存在します。
 本書では、上記のような社員を効果的に活用する方法として、技術に特化したキャリアパスである「専門職コース」を取り入れた事例を複数紹介しています。

POINT2. SEやPJマネージャーの具体的な人事評価基準などを掲載

 業種・業界ごとの特徴を踏まえた人事制度を構築するためには、特に等級基準書や人事評価基準について、自社の仕事内容を具体的に反映したものを作成することが大切です。しかしながら、等級・職種ごとに様々な仕事に取り組んでいる社員の業務を分析し、それを分かりやすく整理するのは一筋縄ではいきません。
 本書では、これまで多くのIT・ソフトウェア企業をご支援してきた経験に基づき、社内での制度作成の参考となるような等級基準書や人事評価基準を複数掲載しています。

POINT3. IT業界の将来を見据えた賃金制度のあり方についても解説

 少子高齢化という構造的な問題を抱えている日本社会において、企業は自社の社員高齢化にいかにして対応していくかが、重要な経営課題となります。当然、IT業界も例外ではありません。特に、IT業界は比較的歴史の浅い業種であるため、これから急速に社員の高齢化が進んでいくことになります。
 本書では、上記のようなIT業界の今後を見据えた上で、これからの時代に相応しい賃金制度のあり方について、具体例を交えながら解説しています。

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目次

はじめに
第1章 人事制度の全体像と設計の流れ
人事制度の全体像
これからの時代のトレンド
業界特性や自社の方針・社風に合ったものにする
社内プロジェクトの進め方
推進スケジュール

第2章 IT業界の人事制度のポイント
IT業界の経営環境
IT企業の組織特性
IT企業の人事制度のポイント

第3章 現状分析、方針検討の進め方
総額人件費を分析する
給与水準を分析する
賞与水準を分析する
年収水準を分析する
人員構成を分析する
将来の人員構成、人件費を予測する
経営陣の意向を確認する
社員の意識を確認する
人事理念をまとめる
制度改定方針をまとめる

第4章 等級・職位制度の作り方
等級、職位の考え方
等級フレームの設計<事例①>
等級フレームの設計<事例②>
等級フレームの設計<事例③>
等級基準を作成する
昇格基準を設定する
役職定年制を考える

第5章 人事評価制度の作り方
人事評価の目的
職種別人事評価表の設計手順
成果・業績評価基準の設計
成果・業績評価基準の設計<事例①プロジェクトマネージャー>
成果・業績評価基準の設計<事例②専門職・一般社員>
成果・業績評価基準の設計<事例③付加価値高の評価>
プロセス評価基準の設計
プロセス評価基準の設計<事例①プロジェクトマネージャー>
プロセス評価基準の設計<事例②専門職(SE)>
プロセス評価基準の設計<事例③一般社員(SE・プログラマー)>
職種別人事評価表<事例①プロジェクトマネージャー>
職種別人事評価表<事例②専門職(SE)>
職種別人事評価表<事例③一般社員(SE)>
評価の実施、運用ルール
持ち点方式による調整例
評価者訓練の進め方
面接者訓練の進め方

第6章 給与制度の作り方
賃金制度の種類と設計の観点
基本給の種類
昇給ルールの種類
給与制度例①<オーソドックスな給与テーブル>
給与制度例②<ゾーン別昇給方式の基本給テーブル>
給与制度例③<コース別の評価連動給>
諸手当の設計手順
役職手当の設計
家族手当の設計
住宅手当の設計
その他の手当の設計
給与移行シュミレーションと減給者への移行措置
残業削減に向けた取り組み

第7章 賞与・報奨制度の作り方
賞与制度の種類
業績連動賞与の考え方
月給をベースにした賞与制度
等級別基礎額をベースにした賞与制度
ポイント制の賞与制度
報奨金制度の設計
表彰制度の検討

第8章 退職金制度の作り方
退職金制度の種類
退職金水準と資金準備状況を把握する
月給をベースにした退職金制度
ポイント制の退職金制度
中退共を活用した事例
確定拠出年金を活用した事例

第9章 周辺制度の作り方
定年再雇用制度
地域限定社員制度の活用
契約社員の活用
教育・研修制度
資格取得支援制度

第10章 社員説明、導入の進め方
組合協議の進め方
社員説明資料を作成する
社員説明会を開催する
Q&A集を作成する
おわりに 外部ブレーンの選び方・使い方

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